*flower Crown*[選択肢]
「ねぇ、はリドルとカイン、どっちがすき?」
ニコニコと満面の笑みで問いかけてくる栗色の髪の少女に、は本に落としていた視線を上げた。
「今度はいったい何のゲームだ?グレンジャー」
「べつに、ただの興味よ?」
コテンと可愛らしく首をかしげ、少女、ハーマイオニー=グレンジャーは言う。
「ね、どっち?」
そして冒頭の質問の答えをに求めた。
「どっちって・・・・。」
はその闇色の眼を細める。
頭に浮かべるのは、ハーマイオニーが口にだした二人の友人だ。
深紅の目に鴉の濡れ羽のような漆黒の髪を持つ、2つ学年上でスリザリンに所属するリドル。
魔力がとても高く、成績も優秀。物腰も柔らかで教師達からの信用も厚い。
しかも容姿端麗。ラブレターが届かない日はないんじゃないかと言うくらいにモテる。
そのくせ、さすがスリザリンというか、嫌いな相手には容赦がない上に、何かあくどい事をしたとしても、自分が何かをしたという痕跡を一切残さない。
そして同じくスリザリン。同学年のカイン。
柔らかな翡翠の眼に、ふわふわの栗色の髪。明るく、わりと砕けた性格。
成績は優秀。容姿端麗でやっぱりスリザリンらしく、あくどいところはかなりあくどい。
こっちも同じく女の子にもモテモテだ。
(・・・スリザリンは入寮の条件に容姿端麗の項目でもあるんじゃないか?)
と、ちょっと思ってしまうほどに、スリザリン寮は上記二人を筆頭に美しい容貌の人間が多かった。
(・・・ドラコだろ、ノットだろ・・パーキンソンも可愛い・・それに、・・・)
名前は知らないが、アイツもスリザリンのネクタイしてたな・・・
と、ホグワーツ内で容貌が美しい人間を男女問わず、指折り数えていく。
ひぃ、ふぅ、みぃ・・・と数えていくと、やはり美男美女の振り分けは、スリザリンに傾いているような気がしてきた。
「ちょっと、ちょっと、!別のところに、意識飛ばさないでよ!!!」
「あ?」
数えるのが当に両の指だけではたりなくなって、頭の中で換算していたをハーマイオニーの声が遮る。
「えーっと・・・悪い。何の話だっけ?」
「もぅ・・やっぱり何か別のこと考えてたのね?」
「ん、ゴメン。」
はぁと、ため息をついて言うハーマイオニーには素直に謝罪する。
「別にいいけど・・何考えてたの?」
「ん?いや、ホグワーツにおいての美男美女の各寮での統計?」
「はぁ?」
の答えにハーマイオニーは呆けたような(実際呆れたのだろう)声をだすと、それから大きく息を吐いた。
「って、ときどきほんっとに分けわかんないことするわよね・・・」
首を緩く左右に振りながら心底呆れたふうに言うハーマイオニーには視線を泳がす。
にも、先ほど自分が頭の中でとっていた統計の意味のなさと馬鹿らしさはわかっていた。
「ま、がたまーに変なのは、いつもの事だし・・・。で、どっちがすきなの?」
いつもの事って・・・とは口の中で小さく吐いて、冒頭の質問を反芻する。
そう、どっちがスキかの話だ。
「リドルとカインねぇ・・・・」
「そうそう。」
きらきらと、好奇心に満ちた瞳で、ハーマイオニーはを見る。
は「んー・・」と考えるように声を漏らし、そして答えを出すために唇を開いた。
「で?キミはなんて答えたわけ?」
「ん〜?どっちも好きだけど。って答えたよ。」
そんな質問があった後日某日。
どこか別の時空では英雄とか呼ばれてるかもしれない同室の人間の質問に、はそうハーマイオニーに返した答えをそのまま告げる。
それに、ハリーは手にした本をペラリとめくりながら、ふぅん。と返す。
「なるほどね。それで今回の新刊は3P本なんだ。」
「!?」
がハリーの手に持った本をふんだくって絶叫するのは数秒後。
おしまい!
gdgdですみません!
花冠本編があまりにも暗いので、ぱろをさらにパロって明るく←
すみません!でも楽しかった・・・・!!!!
09/01/22*翠