花冠
※女体化話です。苦手なかたは全力で逃げましょう!!!
ハナカン?
-もしも“主人公が魔法薬拒絶反応じゃなかったら”-
地下にあるせいなのか、じめじめとした教室。
受け持つ教諭のせいなのか、ひどく重苦しい空気。
いつもの魔法薬学の授業。
「おおっと!!手がすべったぁあああああ!!!!」
ちょっとちがったのは、悲鳴を上げながら、薬品やら、ナベやらを教室の床やら、机やらにひっくり返すのは、決まってネビル=ロングボトムであったのに、
今日、どうも説明くさい悲鳴(?)を上げながら薬品の入ったビーカーを、教室の床やら、机やらに出なく、=の頭の上に盛大にぶちまけたのが、ハリー=ポッターであったことくらいだ。
「いや、わざとだろ。ハリー=ポッター。」
ポタポタと、頭のてっぺんからかぶった(正確にはかけられた)訳のわからない液体を滴らせて、=は、しっかりと突っ込みを入れた。
「やだなぁ、、わざとだなんて・・・僕がそんなことするわけないじゃないか。」
「・・・・。」
いや、今、実際しただろう。
しれっと言い放ったハリーの言葉に、教室にいたセブルス=スネイプ教諭を含む生徒の全員が内心でツッコミをいれるが、
ハリーのニッコリと、ソレはもう満面の笑みでの「ねぇ?」と、小首を傾げる仕草に、黙りこくった。
シンと、一瞬教室が静まり返る。
「・・ばっ・・・“ねぇ?”じゃないっ!!わざとだ、今のはわざとだろう!!ポッター!!」
一瞬の間のあと、僅かに震える声を叱咤して、ドラコが声を張り上げた。
「先生、故意に生徒に薬品をかけるだなんて減点もので・・」
「だから、わざとじゃないって、いってるでしょ?手が滑ったんだって。」
ニコリと、もう一度、ハリーの顔に浮かべられた、完璧な英雄スマイルと言葉に教室の気温が一気に下がった。
狙いを定められた上で、正面からその笑みを向けられたドラコはヒッと息を呑んで、黙り込んだ。
見えるはずのない暗黒のオーラがシックスセンスがあろうがなかろうが、問答無用で見えた気がした。
『ああ、ドラコ、ありがとう。本当にありがとう。いいこだな、おまえは・・・』
は心の中でドラコに感謝した。手が届くのならばぎゅっと抱きしめて、頭をわしゃわしゃなでてやりたかった。
教室のだれもが、そう、グリフィンドール生でさえ、ドラコ=マルフォイの勇気に心の中で拍手喝采をした。
にとって否、ホグワーツに置いてというべきかドラコは最近もっぱら最後の良心になりつつある。
「ま、とりあえず、拭いたら?はりつたシャツとか透ける肌とか卑猥だぞ。おまえ。」
と、気温が一日しく低下した教室内で、いつの間にかの側にきていたカインが白いタオルをの頭からかぶせる。
「・・・・。」
ソレを黙ってうけとって、は黙々とぐっしょりと濡れてしまった髪をぬぐっていく。
(カインの言葉の後半になにかよけない言葉がついていたような気がしたが聞かなかった事にした。)
「で、スネイプ先生、コイツ、ど派手に魔法薬ぶっかかりましたけど、大丈夫なんですか?」
「・・・ああ・・。今日の実験で精製していたのは、元気爆発薬だ。が被ったソレが正しく手順を追って作られていたものであれば、もんだいないだろう。」
カインの言葉に、スネイプはゆっくりと言葉を紡いだ。
とくに、“正しく手順を追って”の部分を強調して。
「教諭・・・・」
ポツンと、今度はが言葉を吐いた。
「なんだ?。」
「教諭・・・たしか、元気爆発薬って・・・無色透明でしたよね・・・?」
「・・・・そうだが・・・?」
じっと、液体を拭った事によって僅かに湿ったタオルに視線を落としたまま、が問う。
その言葉に、壮絶にいやな予感というより、確信を持ちながらも、スネイプはの問いに肯定を示す。
一瞬の間のあとクっと、の唇が僅かに弧を描いた。
「教諭・・薬を拭ったタオルが、ほんのり緑色です・・・・・・。」
即ち、の被ったソレは無色透明ではなく緑色だったということで・・・
ということはつまり、被ったのは元気爆発薬ではなかったということで・・・・
「・・・・・。」
嗚呼・・・
と、教室にいた大多数の人間が哀れみのこもった目でをみる。
「・・・・医務室に、いってきなさい・・・・。」
セブルス=スネイプは疲れたように、そう、に指示を出した。
×××
医務室に到着したを目にした途端、マダム・ポンフリーが最初に言った言葉は「シャワーを浴びてきなさい。」だった。
ある程度水気は拭ったものの、髪はしっとりと湿っていたし、また薬品独特の決して良い匂いとはいえないソレをがベッタリと身体につけていたからであろう。
はその指示に素直に従って、医務室の奥にある簡素なシャワールームでシャワーを浴び、その間に用意された真新しい制服に着替えた。
その後ようやっと、身体の検査に入ったが、どの検査薬にもひっかからず、ポンフリーは首をかしげるばかりだった。
結局、薬の作用はわからず、また、特に身体的に異常も見られなかったので、とりあえず、は寮へと返された。
しかし、悲劇は翌日の朝、起こるべくして起こったのだった。
=は朝にあまり強くない。
枕元に設置した目覚まし時計の音で、とろりと、眠りからとかされて浮上してから、ぼんやりと、目覚めと眠りの狭間を漂う。
柔らかく清潔なマクラに頬を押し付けたまま、目だけは虚ろにあけて暫くぼぅっとしているのが常だ。
ようやく眠りから抜け出して、身体を起こす頃には、けたたましいアラーム音がなった時刻から、目覚まし時計の分針が30分は進んでいる。
それから、のろのろと制服に着替えるために、パジャマのボタンをはずした。
「・・・・・・・。」
そしてもう一度きちんとボタンをとめなおす。
三分の一程、夢の中の世界に浸っていた思考が、強引に引き上げられた。
『・・・・・胸が・・・ある・・・』
思考にポンと浮かんだのはそんな科白だった。
それから、はいやいやと、首を振る。
『胸があるのはあたりまえか。人間なんだから。』
だれにツッコムわけでもないのに、そう思考の中でいって、うんうんと、頷く。
体の部位として胸は存在する。
いや、しかし、この場合いいたい事はそういうわけではない。
『あー・・・っと・・・?え?ナニコレ?なんていえばいいんだ・・・?』
ぐるぐるぐるぐると、ハムスターが無意味に回し車を回しているかのように、の思考がぐるぐると回る。
『ああ、そうだ、乳房があるって、いえば、いいのかぁ・・・』
引き上げられたかと思えば、今度は混乱の渦の中にいきなり、飛び込み自殺を促された。
目覚めの気分はそんな突拍子なく、そしてサイアクの気分だったとだけここに記録しておく。
「いいのかぁ・・・じゃねーだろ?!!!!馬鹿か?!自分っ!!!!!!!」
朝っぱらからベットの上で、ひとりでノリツッコミするほどに、=は混乱していた。
シャっと、勢いよくベットの天蓋が割られた。
天蓋に区切られていた薄暗かった空間に、光が差し込む。
「?!なに?!なにかあったの?!」
「うわぁあああああっ!!!?」
途端、はひっくりかえった声を上げた。
「・・・ろ・・ロングボトム・・・」
あけられた天蓋からみえた、同室の顔の名前を呼ぶ。
ネビルは目をまん丸に見開いて、もういちど、「どうしたの?」と繰り返した。
「あ・・いや・・なんでも・・ない・・・ぞ・・?」
ひくりと、ひきつる唇を何とか引き上げて笑みの形を作る。
「いや・・でも・・なんだか、すごい悲鳴だったし・・」
「はは・・や・・ちょっと・・夢見がわるかっただけで・・・」
眉をハの字にして心配そうにいうネビルには言葉を紡ぐ。
「でも・・」
「悪夢を見ただけで、“あの”=があんな、すっとんきょうな声をあげるの?」
ネビルの言葉をうちけして、別の声がそう言った。
「・・・ハリー=ポッター・・・・・」
割り込んできた声の名を、はどこかうんざりとしたように言う。
にこにこと、不自然なほどに満面の笑みを浮かべてハリーはネビルが少ししかあけていなかった、天蓋を遠慮なく全開にした。
間違いない。原因はコイツだ
もう、直感やそういう問題でなく、は確信していた。
いまニコニコとそれはもう不自然に満面の笑みを浮かべた英雄様が自分の体に起こった諸悪の根源であるという事を。
回想などする必要もなく、昨日被った液体が原因で、かの英雄様が自分にぶっかけてくれたのは間違いなく自分が“こうなる”こと確信した上でつくられたモノなのだ。
失敗した元気爆発薬?とんでもない!
間違いなくアレは成功作に違いないのだ。
そう、大成功を果たした性転換薬に。
ヒクリと、は頬と米神をひきつらせると全精神力を投入して笑みを作り上げた。
「しんぱいしてくれて、どうも、アリガトウ?ポッター・・・・。だが、オレはなんっともないので、カーテンを閉めてくれないかな?着替えるんだ。」
「ふふふ、そう、なんっっっともないんだ?」
ニコニコニコニコ
もハリーもお互い不自然なほどに満面の笑みでのやり取り。
それなのに、どうしてが室内にブリザードでも吹いてるんじゃないかと思えるような寒気。
ちなみにロンとシェーマスはすでに部屋の隅でお互いに抱き合ってガタガタと震えている。
「・・?ハリー・・・?」
ネビルは困惑した表情で二人を交互に見やった
「ああ・・大丈夫だロングボトム。本当に・・なんともないから・・」
心配そうなネビルにはふんわりとした口調で言う。
「わぁ、態度があからさまに違いすぎて、いっそ清清しいね。」
ニコリと相変わらずのそれは見ほれそうなほどの英雄スマイルでハリーは言う。
「ふふふ、いいからもう閉めろよ、ポッター。」
「オンナノコでもあるまいし、閉める必要なんてないでしょう?着替えるくらい。」
「お前らみたいなのに見せてやるほど、オレの肌は安くないんだよ。悪いな、チェリーちゃん。」
「あはは、ひどいなぁ、僕がまだ童貞だなんて・・・。悪いけど、僕、スゴイよ?試してみる?」
「うふふ、オレにだって相手を選ぶ権利はあるんだよ。願い下げだ。」
うふふあはは、とそれはもう、恋人同士が交し合うような笑みを浮かべながらの言葉。
しかしの手にはいつの間にか銀の拳銃。もちろん照準はハリーの眉間に合わせられているし、ハリーの手には扱いにくいと評判のハリー愛用の杖。勿論杖先はに向いていた。
バチリととハリーの間に火花が散ったのを同室者達は見た気がした。
暫くすばらしい笑顔で、辛らつかつ下品なせめぎ合いが続いたが、の「いいからさっさとカーテン閉めやがれこの××××野郎!!!」という非っ常に下品な言葉と共に発砲された銃弾に(容赦なくハリーの下の急所を狙っていた。勿論ハリーはよけた。)顔面を蒼白にしたシェーマスとロンがハリーを説き伏せカーテンを閉めた。
fin
え、これ続くの・・?^q^
続き読みたい人!(シーン)
とりあえず、主人公はひんぬーときょぬーどっちがいいですか?
ちなみに主人公はハリーやリドルと同じくらいにまっくろです。口も悪い。
××××野郎!の××××にはいる言葉は皆さんのご想像と妄想力におまかせします←
08/09/15*翠